小論文対策のために 


■は じ め に

(1)合格のために不可欠な小論文対策
 編入学入試でクリアしなければならない科目は、各大学の学部・学科により、さまざまです。英語・専門科目・小論文・口頭試問・面接などが挙げられます。
 なかでも、英語は短期間で結果の出しにくい科目であり、地味で継続的な努力が必要です。したがって、編入学というと、英語の勉強が前面に出てしまうのも仕方がないことかもしれません。
 しかし、受験英語の力とは何なのでしょうか?

 英語の出題形式から見て、英文を日本語に訳すとともに、長文の場合、その要旨が把握できるという能力が主に要求されます。

 はたして、これは英語力なのでしょうか?

 実は、英語を日本語に訳すために必要な力や長文の要旨をつかむ力は、英語の単語・イディオム・構文などを覚えるだけでは、決して身につかないものなのです。英語力を支える力として、国語力・表現力・読解力がどうしても必要なのです。

 「なんとなくわかるんだけど、どう表現すればいいのかわからない」

 英語を勉強し始めて、少しでも前進するとこんな場面によく出会います。
 こうした状況を乗り越えていくために、小論文の勉強は役立ちます。
 一見、遠回りに見えても、やってみる価値は十分にあります。また、幸運なことに? 多くの大学が、英語と小論文(もしくは専門科目)の両方を出題しています。

 覚悟を決めて小論文対策に打ち込みましょう。

小論文対策は、小論文のためだけにあらず、編入学合格の切り札である。


■三つの出題パターン

(2)小論文における三つの出題バターン
 それでは、ここで小論文をその出題形式から大きく三つに分類して、その特徴および対策を見ていきましょう。

A.テーマ型

 テーマ(タイトル)のみが与えられて、それについて論述するパターンです。
 内容は、学部学科への志望理由や研究目標・計画などから、一般的な時事・社会問題、抽象的・普遍的テーマに至るまで多岐にわたります。ここでは、例として「志望理由や研究目標・計画」についてお話したいと思います。

 志望理由や研究目標を論じるにあたって、ただ漠然と「興味があるから」「努力したい」などと言ってみても意味がありません。重要なことは、自分が学ぼうとする専門分野の具体的な問題と関連させて自分自身を客観的に語ることです。大学側が求めている学生とは、どのような学生なのかを考えていただければおわかりでしょう。うわべだけを取り繕ってみても、専門家の前ではすぐに見破られてしまいます。本音は、その分野を真剣に学ぼうとは思っていず、単に編入学を大学のブランドチェンジと考えている受験生、極端に背伸びをして抽象語を濫発、言葉遊びに自己満足する受験生などは要注意です。

 自分が編入しようと考えている専門分野の情報を収集し、具体的に何が学びたいのかをもう一度、自分自身に問い掛けてみてください。そして、考えてください。なぜそれを自分が学びたいと感じたのかを。

 自分を卑下することなく、また、極端に大きく見せようとすることもなく、等身大の自分をありのままに見せればいいのです。編入学受験生は、自分の志望理由や研究目標・計画を必ずまとめておきましょう。


B.資料文型

 資料文を読ませて現代社会の状況への問題意識を書かせるパターンです。
 この場合、最も大切なことは、資料文が正確に把握できた上で、資料に立脚して自分の意見が展開できているかということです。資料を無視して書いた場合、当然、失格となるので注意。

 そこでまず、資料文の要約が必要になります。資料文の要約(ポイント)を示さなければ、資料が読めているかどうか、資料文の筆者の主張を正しく理解しているかどうかは、採点者にわかってもらえません。
 要約についてのポイントは次回に述べます。


C.各種資料(統計資料・図表など)型

 統計資料や図表などから、テーマを導き出してそれについて論述していくパターンです。
 資料の読み取り、すなわち、分析・解釈が重要になってきます。資料が示している現象は何を意味しているのかを、客観的な事実や現実に照らして解釈していきます。その際に必ず、なんらかの問題点が浮き彫りになってきます。その問題点を、テーマとして、あとは上記の「A」のパターンと同様に書けばよいのです。
 たとえば、高齢化・少子化を示すグラフがよく出題されます。ここから、具体的な高齢化の事実を数値によって示しつつ、その背景や問題点、そして今後いかにあるべきなのかを論じていけばよいのです。


■資料の要約について

○資料の要約について
 まず、最初から順に、全文を貫通する要約を目指します。さしあたって形式段落、形式段落が短すぎるときは意味段落のまとまりごとに、要約していくことを心掛けてください。文章のある部分に偏りすぎないように要約していくのが原則です。


1.文章を切り捨てていくためのツール

a.具体例の削除
 具体例の部分は原則として削除します。具体例は筆者が自分の主張の現実性を示し、例証、傍証するために使うものであり、筆者の主張を直接表すものではありません。すべてを削除できない場合もありますが、その場合は簡潔な紹介にとどめましょう。

b.同意反復の回避
 同じ内容の繰り返しは一つにします。一つ残すか、合成して一つにしてしまうこと。そもそも文章は自分の主張の説得力を高めるために、同じ主張を言い換えて繰り返すものですから。

c.譲歩・保留の部分の削除
 「たしかに」「もちろん」「もとより」「たとえ」などの下の部分は、他の主張に一度譲ってみせて、その後もう一度自分の主張を提示する論争、対比の手法で、筆者自身の主張ではないから削除できることが多い。譲歩の後には、「しかし」「だが」「けれども」など逆接がくることが多く、したがって、逆接の上が譲歩部分になるともいえます。

d.引用・比喩の削除
  引用は、原則として自分の主張の権威付けや賛同者紹介などのためになされるものです。ただし、引用された言葉そのものが主題の場合もあり、この場合は削除できません。比喩は読者をイメージによって説得しようとするものであり、表現効果のためであって、主張そのものとはいえません。原則として削除します。

 このほかにも、ツールはいくつか考えられます。要するに、筆者の主張を簡潔に残すという目的を忘れなければ、そのつど作り出すことが可能でしょう。


2.文章を残していくためのツール

a.頻出・反復語句の周囲の部分は一つ残す。または合成して残す。
 上記の項目でも触れましたが、反復され頻出している語句は主題、主張に関わる重要語句であることが非常に多く、その周囲は筆者の主張を含むケースが多いといえます。

b.対比の部分は原則として一つ残す。
 頻出、反復語句は評論文では二つの項目の対比の形、「日本と西欧」「自立と依存」「自然と人間」「……ではなく、……」などの形がよく見られます。

c.その他
 これらの他に資料文において筆者の主張が現われるヒントになりやすい部分としては、「定義を示す部分」「筆者が、自らの見解を提示する部分」「強調表現によって、導かれた部分」などです。


〜2003年入試における皆さんの検討を心からお祈りしています〜



※ご紹介している「小論文対策のために」は、
 編入学をめざす方のためにZEBECが
 独自編集で作成しているものです。


 本文はZEBEC発行の
大学編入学試験問題集
にも掲載されています。


英語の傾向と対策へ