合格のために不可欠な小論文対策
編入学入試でクリアしなければならない科目は、各大学の学部・学科によりさまざまです。英語・専門科目・小論文・面接などがあげられます。 なかでも英語は短期間で結果の出しにくい科目であり、地味で継続的な努力が必要です。したがって、編入学というと英語の勉強が前面に出てしまうのも仕方がないことかもしれません。 しかし、受験英語の力とは何なのでしょうか?
英語の出題形式から見て、英文を日本語に訳すとともに、長文の場合、その要旨が把握できるという能力が主に要求されます。
はたして、これは英語力なのでしょうか? 実は、英語を日本語に訳すために必要な力や長文の要旨をつかむ力は、 英語の単語・イディオム・構文などを覚えるだけでは、決して身につかないものなのです。 英語力を支える力として、国語力・表現力・読解力がどうしても必要なのです。
「なんとなくわかるんだけど、どう表現すればいいのかわからない」
英語を勉強し始めて、少しでも前進するとこんな場面によく出会います。 こうした状況を乗り越えていくために、小論文の勉強は役に立ちます。 一見、遠回りに見えても、やってみる価値は十分にあります。 また、幸運なことに多くの大学が、英語と小論文(もしくは専門科目)の両方を出題しています。
覚悟を決めて小論文対策に打ち込みましょう。
小論文対策は、小論文のためにだけにあらず、編入学合格の切り札です。
小論文における三つの出題パターン
それでは、ここで小論文をその出題形式から大きく三つに分類して、その特徴および対策を見ていきましょう。
A.テーマ型
テーマ(タイトル)のみが与えられて、それについて論述するパターンです。
内容は、学部学科への志望理由や研究目標・計画などから、
一般的な時事・社会問題、抽象的・普遍的テーマにいたるまで多岐にわたります。
ここでは、例として「志望理由や研究目標・計画」についてとりあげます。
志望理由や研究目標を論じるにあたって、ただ漠然と「興味があるから」「努力したい」などと 言ってみても意味がありません。重要なことは、自分が学ぼうとする専門分野の具体的な問題と関連させて自分自身を客観的に語ることです。 大学側が求めている学生とは、どのような学生なのかを考えてみればおわかりでしょう。 うわべだけを取り繕っても、専門家の前ではすぐに見破られてしまいます。 本音は、その分野を真剣に学ぼうとは思っていず、単に編入学を大学のブランドチェンジと考えている受験生、 極端に背伸びをして抽象語を連発、言葉遊びに自己満足する受験生などは要注意です。
自分が編入しようと考えている専門分野の情報を収集し、具体的に何が学びたいのかをもう一度、 自分自身に問いかけてみてください。そして、考えてください。なぜそれを自分が学びたいと感じたのかを。
自分を卑下することなく、また、極端に大きく見せようとすることもなく、等身大の自分をありのままに見せればいいのです。
B.資料文型
資料文を読ませて現代社会の状況への問題意識を書かせるパターンです。
この場合、最も大切なことは、資料文が正確に把握できた上で、 資料に立脚した自分の意見が展開できているかということです。 資料を無視して書いた場合、当然、失格となるので要注意です。
そこでまず、資料文の要約が必要になります。資料文の要約(ポイント)を示さなければ、 資料が読めているかどうか、資料文の筆者の主張を正しく理解しているかどうかは、採点者にわかってもらえません。
C.各種資料(統計資料・図表など)型
統計資料や図表などから、テーマを導き出してそれについて論述していくパターンです。
資料の読み取り、すなわち分析・解釈が重要になってきます。資料が示している現象は何を意味しているのかを、 客観的な事実や現実に照らして解釈していきます。その際に必ず、 なんらかの問題点が浮き彫りになってきます。その問題点を、テーマとして、あとは上記の「A」のパターンと同様に書けばよいのです。
たとえば、高齢化・少子化を示すグラフがよく出題されます。 ここから、具体的な高齢化の事実を数値によって示しつつ、その背景や問題点、そして今後いかにあるべきかを論じていけばいいのです。
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